やはり両手でうまく弾けるときは,音楽の「波」に乗って,その音楽を味わいながら,指の動きを意識せず,指が自動的に自然に動いているときだ.その時自分は,明らかに二人以上の人間になっている.そのメンバーは下記の通り.
- ピアノ演奏者:歌手の伴奏をしている,歌を後ろで支えている
- 歌手 :メロディーを歌っている
- 聴衆:演奏を堪能している受け手,酔いしれている
- ダンサー:演奏に合わせて,自動的に身体を動かしている
- 指揮者(演奏管理者):冷静に全体を管理している.
素人なりに,こう考えてみると,少なくとも歌は,そのアイデンティティを維持するために,周囲の支えを求める傾向があると言えるようだ.指揮者は,音楽にある程度冷めており,歌手,伴奏者を通じて音楽を調節している感じ.逆に聴衆は,音楽のコントロールに自分が参与できないため,そのような冷静さはなく,ただただ音楽に身を委ね,酔いしれ,味わっている感じ.ダンサーは,身体の中に流れ込んできた音楽的エネルギーを味わいながら蓄積するよりも,それを身体運動に変換して吐き出している,もう一人の別のタイプの聴衆なのかもしれない.
この演奏中に現れる5人については,また別の時に考察してみようと思う.いずれにしてもうまく弾いているときは,自分がピアノを演奏しているという意識がかなり低くなり,ちょっと酔いが回ったようなムードになる.このようなときの方が,自然でしかもミスタッチが少ない.そして先ほどの5人が5人とも満足する感じである.繰り返し練習では「聴衆」のご機嫌が悪くなるときがあったり,退席してしまったりする.5人がそろうのは,やはり通し練習,リハ的練習の時だけのなのかもしれない.
さて,本日はその他に,第3番の右手をYouTubeのお手本に合わせて弾く練習を何回か行った.これが本日のサブ練習だ.まだとても速度について行けないが,ついて行ける部分は徐々に増えているようである.いまのところ,譜面の読み違いは発見されていない.
第2番は両手の動きを覚えるためのカタツムリテンポ両手練習.第4番は片手練習をそれぞれ軽くやり,記憶を維持した.
ということで,お疲れ様でした.
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