2014年7月1日火曜日

ピアノ練習(2014/06/30):久々の練習

ブログを投稿しなくなってから,数ヶ月が経つ.いろいろ忙しくて,疲れもあったりしたため,なかなかピアノ練習が再開できなかった.本日ようやく,まとまった時間がとれたので,1時間半ほど練習してみた.

ブログは投稿していないのだが,残された録音MIDIファイルの日付によれば,最後に練習したのが5月25日らしいので,約一ヶ月ぶりの練習再開となる.

練習開始直後は,果たして曲を覚えているのかが不安だったが,意外にも指が覚えていてくれた.特にしつこく練習しているインヴェンション第1番については,そのほとんどの指の動きを覚えていた.ただインヴェンション第2番の左手は怪しいところがあったが,少し練習したら思い出すことが出来た.

第3番や第4番も同様だった.何度も繰り返し練習した第3番のアルペジオも,最初は全然ダメだったが,しばらく練習していると指が思い出したようで,スムースに動くようになった.記憶をたどることなく,指が勝手に動きを思い出してくれるのが不思議な感じがした.

しかし第13番の右手については,忘れている部分が多く,楽譜を見てそれに合わせながら,ゆっくり指を動かさなければならない部分がかなりあった.それでもしばらくそれを繰り返していると,やはり徐々に指が記憶を取り戻してくれるようだった.

第13番は練習が中断した時点においても,すべての運指を確実に覚えていたわけではなかったので,むしろ,今回のちょっとした練習で,ここまで記憶が取り戻せたことに驚いた.もしかしたら,言葉の記憶よりも運動の記憶の方が,定着しやすいのだろうか?

ただ集中力と指の持久力の低下は,なんともしがたかった.複雑なパッセージなどは,指がついていけず,最後まで走り切れずに,途中で腰砕けになってしまう.さらに練習の最後の方になると,手のひらが熱を持ち,腫れ上がってきて,両手首の上が痛くなってくる.持久力は,今後徐々に取り戻していきたいと思う.

久々にピアノを弾いて改めて思うことは,やはり演奏することによって,バッハと出会っている感じ,バッハから何かを教えてもらっている感じがすることだ.これはインヴェンションという,教育的配慮のもとに作られた作品群故なのかもしれない.この感覚は,盲目の人が,隣にたたずんでいる人の顔を知るために,手探りでその人の顔を撫でまわしているような感覚に近いかもしれない.

たしかに「自分の稚拙な技で,いったいバッハの何がわかるのだ」というのは,至極もっともなことではあるのだが,ほんのわずか数センチでも,遥か彼方にいる彼に近づけた事に,自分は喜びを感じることができるらしい.この喜びを大切にして,これkらも練習を続けていきたいと,いまは思っている.

2014年3月11日火曜日

ピアノ練習 2014/03/10:内田光子とトリル

本日のピアノ練習は2時間.練習内容は前回とほぼ同じだが,インヴェンション第13番の右手練習を進めて,ついに最後まで到達した.最後まで指の開きと第4指・第5指を使うので,やはり右手の付け根の上あたりが痛くなってしまった.

その結果,最後のインベンション第1番の録音は,聞くに堪えないメロメロな演奏となってしまった.まあ,やむをえないところか.

ただ今回の練習ではある実験を行った.やはりトリルに関してだ.というのも昨日深夜に偶然にも,内田光子のベートーヴェンピアノ協奏曲をTVで見ることになった.恥ずかしながら内田光子のことは知らなかったのだが,曲への没入感・曲との一体感がすごくて,しかもどこかちょっと指揮者的なたたずまいも感じさせる.完全暗譜,シャキシャキとした小気味よい音色とリズム,そして広いダイナミックレンジ.アンコールで演奏したバッハのフランス組曲は,ちょっとグールドっぽくて,深みを感じさせた.久々に聞き惚れてしまった.

曲を楽しめただけでなく,ありがたいことに今回の放送では,ピアニストの手のアップのシーンが多かったので,そのピアノ技術,特にトリルに注目して見ていた.そこで気がついたのは,トリルの時の親指の位置だった.前回キーの端で指を動かしたほうが良いのではないかと書いたのだが,彼女は正反対で,親指をかなり鍵盤の奥に突っ込んでいた.親指の腹の横(爪あたり)で打鍵するのではなく,親指の第一関節当たりで打鍵してたのだ.

そこで本日はその方法でやってみた.するとそのほうがうまくいく確率が高かった.まだはっきりとした実感はないが,高速なトリルの場合は有効のような気がした.とりあえずしばらくは実験を続けてみようと思う.

ということでお疲れ様でした.

2014年3月9日日曜日

ピアノ練習 2014/03/08:トリル

 本日のピアノ練習は2時間.内容はほぼ昨日と同じで,メインはインヴェンション第1番のメトロノーム付き通し練習+難所繰り返し練習.特にメトロノームに合っていないところを丁寧に繰り返し練習をした.メトロノームと合わないところでは,音ばかりに注意して,リズムが適当になっていたことがよく分かる.難所は遅く,もたつき気味になり,易所は逆に適当に速くなってしまっている感じだ.

 インヴェンション第1番は,左手がリズムが楽でリズムを主導的に取るパートが多いが,そのためか,だいたいリズムが失われているところは,左手がうまくいっていないところとも言える.「左手は右手の2倍練習しろ」とのことだが,まさにそのとおりだと思った.

 今回はトリルにおいて新たな発見があった.それはキーの後方部分で指を動かしたほうが,キレイになりやすいということだった.考えてみれば,ストロークが最も長くなるのは,そこだった.キーの後方で動かしたほうが,コントロールしやすく,成功率が高い気がするのだが,以前にもそんなことを書いたかもしれない.とにかく,しばらくは意識してみようと思う.

 サブ練習は,インヴェンション第13番の右手.本日は新しい部分はやらずに,アルペジオの繰り返し練習を行った.この13番について,YouTubeの手本をいくつか見たのだが,意外にもこの曲に対して装飾音をつけて演奏している人が多かった.自分はこの曲は,装飾抜きの方が良い響きをするように思うのだが,どうなのだろう?今回は有名ピアニストの演奏は聞いていないので,機会があったらそれらを聞いて参考にしようと思う.

 また,MIDI打ち込み演奏の中には,音程を間違えているものもあった.しかしこの曲はすごいことに,MIDIの打ち込み演奏で聞いても感動できる.何故なのだろう?ちょっとこの曲に関する文献を読みたくなった.

 ということでお疲れ様でした.



2014年3月7日金曜日

ピアノ練習 2014/03/06:指の開き

 本日のピアノ練習は2時間半.最近ブログを書いていないが,練習は以前より少なくなってしまったが,継続はしている.特にインヴェンション第13番の右手練習を入念にやっている.

 以前にも書いたとおり,インヴェンション第13番 BWV784は,手を大きく開かないと弾けない.しかもその開いた状態でアルペジオを弾かなければならない.そのため今までの他のインヴェンションの曲と違い,力のない第4指,第5指の使用頻度がかなり高い.

 ただアルペジオは一定の運指パターンであり,その同じパターンのバリエーションがこの曲では繰り返されるため,一つのパターンを覚えてしまえば,数小節はすんなりと進んでいけるのはありがたい.今のところ,インヴェンション第13番の右手練習は,まだ最後までたどり着いていないのだが,先の展開がとても楽しみで,練習のモチベーションは上げっている.

 本日の他の曲の練習は,例によってインヴェンション第1番の通し練習をメインでやったのだが,本日は久々にメトロノームをずっと練習してみた.すると,いろいろなところで,テンポがもたついていたり,逆に難所から逃げ出すようにテンポが走ってしまっていたり,さらにはテンポが不安定だったりしていた.もはやそれが癖になっている部分もあったため,ちょっと執拗にメトロノーム練習をした.自分が機械になりきったつもり,正確に弾くように心がけた.アイロンでシャツのしわを伸ばしているような気分だった.やはり定期的にメトロノーム練習は必要だと思った.

 ということで,お疲れ様でした.

 

2014年2月21日金曜日

ピアノ練習 2014/02/20:疲れ

 本日のピアノ練習は1時間半.内容はほぼ昨日と同じ.ただし,インヴェンション第13番の右手練習には,時間をかなり割いた.

  本日は奇妙なことに,左手が疲れていて,ちょっと第1番を練習しただけで,乳酸がたまったような感じになってしまった.別に手を使って仕事をした記憶もないので,この原因はよくわからない.また13番の練習において,第4指,第5指を使う頻度が高く,なおかつ,手を開くためか第5指のライン上にある,手首の上がやはり痛くなった.

 しかしおかげで,4小節分の右手の運指は,だいたい覚えることが出来た.こレは進歩と言って良いだろう.
 
 疲れのためかか,本日の第1番の録音は,いままで一番いただけないものとなってしまった.まあちょっと様子を見てみよう.

 ということでお疲れ様でした.

2014年2月19日水曜日

ピアノ練習 2014/02/19:評価意識

 本日のピアノ練習は1時間半.最近かなりピアノ練習をサボっていたので,久々の練習となった.これはオリンピック中継が主な理由なのだが,自分のように発表会もない気楽な自主練習スタイルは,どうしてもルーズになりがちだと感じる.自分の弱い部分だ.

 練習内容は,ほぼいつもの通り,インヴェンション第1番を中心に行った.久々なので心配したのだが,アップ的に数回練習すると,手の動きが以前のように戻ってきた.自転車のように,ある程度ブランクがあっても,手がその動きを忘れないためなのか?

 本日の練習は少しだけイレギュラーがある.それは第4番の練習をやめて,第13番 BWV784 の片手練習を行ったことだ.以前に少しだけ第5番を練習したのだが,今回第13番にした理由は単純で,この曲が昔から好きだったからだ.特に自分の記憶では,NHKのオープニングかエンディングテーマに採用された,冨田勲によるシンセ演奏バージョンが深く印象に残っている.

 実際に第13番の右手の最初の4小節を練習してみると,意外にもそれほど難しくはなかった.これはトリルやターンなどの装飾音が皆無であるためかもしれない.今まで気が付かなかったが,第13番の持つスッキリした透明感は,その無装飾性ゆえなのかもしれない.なぜバッハこの曲に装飾音を全く用いなかったのだろう?いつもながら,本人にどういう気持で曲を作ったのか,尋ねてみたくなる.もしかしたらそれもバッハの狙いなのかもしれないが…
 
 ただし第13番の右手においては,第5指を頻繁に使うため,かなりその指に負担がかかる.また手の開きが,いままで練習したものよりも要求されるように感じた.しかし正直に言えば,第5番よりも第13番が弾きたい気持ちが強いので,第13番についてレギュラー練習にしてもよいと思っている.

 いつものように,最後に仕上げとして第1番を録音し,そのMIDIファイルをPCのに転送した.最近は「録音慣れ」の練習もしていたが,やっぱり録音になると緊張感が漂う.特にいいものを残そうとするので,どうしても自分の演奏を評価的に聞きながら演奏してしまい,良し悪しを判定してしまう.それをやってしまうと,全く演奏に集中できなくなり,結果また別の部分で失敗してしまう.

 失敗しても成功しても演奏中は評価せずに演奏を続け,評価したければ録音を聞くという態度が必要なのかもしれない.だとするとやはり演奏を楽しむこと,ある程度演奏に没入することが,録音においても大事なのかもしれない.録音していることを忘れることなのかもしれない.

 今まで録音中失敗すると録り直しをしていたが,今後はそれはやめて,一発録音に変えてみようかと思う.残すべきかを評価しながら,演奏を聞いているからだ.とりあえずしばらくはその方針で行く.

ということで,お疲れ様でした.

2014年2月6日木曜日

ピアノ練習 2014/02/05:デジタルピアノとPCとWindowsによるMIDI再生

 本日のピアノ練習は約2時間.メイン練習は,インヴェンション第1番の通し練習と失敗箇所の繰り返し練習を中心としたスタンダードなもの.第2番については,両手の通し練習を2回行った.第3番第4番については,片手通し練習と片手のアルペジオ繰り返し練習を行った.

 本日は練習については,特記するものはないが,最近の練習の流れに加わった新たなステップについて記録しておく.

 自分のデジタルピアノYAMAHA P-105には,録音機能がある.ただし1曲しか録音できない.録音した曲は明示的にクリアしない限り,電源を切ってもピアノ本体に残っている.以前も書いたが,自分の練習を録音して,その場で聞き直してみることは,練習の一環として今までもやって来た.しかしそれ以上の録音機能の活用は,今まで考えてこなかった.

 ところが最近,偶然にもこのP-105のマニュアルを読んだところ,この機種はPCにUSBで接続可能であり,デジタルピアノ本体に保存されている録音を,MIDIファイルとしてPCなどでに取り出すことができることがわかった.

 そこでこれからは,1回の練習毎に1曲ずつ第1番を録音し,その録音をPCに移動して,蓄積してみることを考えた.そうすれば,今まであまり感じられなかった練習の成果を,過去と最近の録音を聴き比べることによって,感じることができるのではないかと思ったのだ.


 そこで先日,プリンタ用に購入した3mUSBケーブルを使って,P-105とPC(Windows8.1)を接続してみた.その後YAMAHAサイトから,デジタルピアノと通信するためのユーティリティソフト「Musicsoft Downloader」をダウンロードして,インストール.

 さて準備は整ったと思い,ソフトで接続を試みたのだがうまくいかない.「接続チェック」ボタンというものそのソフトにはあり,それをクリックしてみたが,接続できていないと表示されるのだ.とりあえず,デバイスドライバをYAMAHAサイトからダウンロードして,インストールしてみた.ちなみにマニュアルによれば,ドライバ等は不要とは書かれていた.

 今度こそは大丈夫だろうと思い,ソフトを立ち上げ,「接続チェック」ボタンをクリックするが,
楽器と通信ができません.コンピュータと楽器とのケーブル接続を確認した上で,[接続チェック]をクリックしてください

と表示される. さてどうしたものか?

 あれこれやったのだが,やはり上記の表示が出てしまう.そんなことをしているうちに上記のメッセージを表示したダイアログボックスの中に「接続チェック」ボタンが更に有ることに気づいった.きっとリトライするための「接続チェック」と同じ意味のボタンなのだろうと思ったが,ダメ元でそのボタンをクリックしてみた.するとそれまで表示されたことのないウィザードが立ち上がった.

 実はこの2つめの「接続チェック」ボタンは,実質上,このソフトの設定ウィザードであった.自分の環境の場合だけかもしれないが,この2つめの「接続チェック」を行わない限り,通信ができなかったようである.つまり上記のメッセージは,最初の「接続チェック」ボタンではなく,ダイアログボックス内の2つめの「接続チェック」ボタンを意味していたようだ.

 ウィザードによって設定が完了すると,やっとP-105内の録音済みMIDIファイルをPC内にダウンロードすることができた.ただこのソフトは奇妙なことに,P-105からすぐにデスクトップ等にダウンロードできるわけではなく,一時的なエリアにダウンロードされ,その後PC内のどのフォルダに保存するのかを指示して,ダウンロードが完了するというものだった.

 このように「Musicsoft Downloader」は出来の良いユーザーフレンドリーなソフトとは言えないが,とにかくWindows8.1で動いてくれたので,よしとしたい.ただ問題は,その次にあった.

 MIDIファイル再生の問題である.以前の古いPC(Windows95)を使用していた時は,YAMAHAのソフトシンセサイザーをインストールして,MIDIファイルを再生していた.その音は安っぽくはなくリアルで,MIDIの音源として十分に満足のいくものだった.ところが最近はMIDIファイルを再生する機会もなくなり,YAMAHAもソフトシンセサイザーの開発をやめてしまったことから,PCでのMIDI再生環境は,OSデフォルトのままになっていた.

 御存知の通り,Windows OS の標準的なMIDI再生環境では,Micorosoftのソフトシンセサイザーである「Microsoft GS Wavetable Synth」となるわけだが,これが極端に音が悪い.このソフトシンセは,名前の通り,サンプリング音源だと思うのだが,まるでおもちゃの電子ピアノのような,チープな電子的な音で再生される.自分の間違いだらけの下手くそな演奏よりも,そのピアノ音の酷さの方が気になってしまうほどなのだ.

 そこでなんらかの方法で,安く,できたら無料でMIDI再生品質を向上する方法がないのかと思い,ネットを検索してみた.すると驚くべき事実が判明した.

 すでにVista以降のWindowsでは,MIDIマッパー(*)は廃止となっていた.つまりMIDIファイルを再生するための標準的なMIDI音源として,「Microsoft GS Wavetable Synth」以外のソフトシンセサイザーを選択できなくなっていたのだ.どうやらMIDIファイル再生の需要がなくなってしまったため,廃止ということになったらしい.
*:どのような装置やソフトシンセサイザーで,MIDIファイルを再生するかを決定するOSのユーティリティ

 確かに過去の記憶では,ソフトシンセサイザーがトラブると,システムが固まったり,BSODが表示されたりして,深刻なあるいは致命的な状態にPCが陥ることはあったと思う.これはソフトシンセサイザーが単なるアプリケーションではなく,一種の仮想デバイスとしてシステムにインストールされていたためだ.つまりソフトシンセサイザーのトラブルとは,ハードウエアのトラブルに等しく,それ故そのトラブルはPCに深刻な結果を招くことがあったわけだ.


 そういう意味では,Microsoft側がそのような危険なアプリケーションが利用できなくなるような状況を作り出したのは,納得の行くことである.つまりは標準的な音楽プレイヤーではなく,外付けのMIDI音源やソフトシンセサイザー内臓のMIDI再生専用のプレイヤー等を使えということなのだろう.さてどうしたものか?

ということで本日はここまで.お疲れ様でした.